ピラティスとホットヨガは、ダイエットや運動不足解消に人気のあるエクササイズです。ただし、その違いを理解している方は少ないかもしれません。どちらがより効果的に痩せられるのか、自分の体力や性格に合っているのかを知りたい方も多いでしょう。
この記事では、ピラティスとホットヨガの違い、向いている方などを詳しくご紹介します。会費を無駄にしないためにも、自分に合ったエクササイズ方法をしっかりと見極めてください。
目次
ホットヨガとは
ヨガは、心と体、そして魂をつなげることを目的とした古代インドの修行法です。サンスクリット語で「つながり」を意味する「ヨガ」は、呼吸法、姿勢、瞑想を組み合わせることで、心身の緊張を解きほぐし、心の安定とやすらぎをもたらします。
そして、ホットヨガは、温かい室内で行うヨガの一種です。室温は約35度、湿度は約60%に保たれており、インドの気候を再現しています。この環境でヨガを行うことで、筋肉がリラックスしやすくなり、柔軟性が高まると言われています。
ホットヨガは1970年代にアメリカで誕生し、その後日本にも広まりました。通常のヨガと同じポーズを取りますが、温かい環境で行うことで、より多くの汗をかきデトックス効果が期待できます。また、体温が上がることで心拍数も上がり、カロリー消費が増えるため、運動量が高いのも特徴です。
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※関連記事:【完全ガイド】ホットヨガとは?基本から効果、ヨガとの違いまで徹底解説
ピラティスとは
ピラティスは、約100年前にドイツ人のジョセフ・ピラティス氏によって考案されたエクササイズ方法です。もともとは第一次世界大戦中に負傷兵のリハビリとして始まりました。ピラティス氏は、病弱だった自身の体を鍛えるために様々な運動を研究し、それがピラティスの基礎となります。
ピラティスの目的は、体の柔軟性や筋力を高め、姿勢を改善することです。特に体幹の強化に重点を置いており、これにより日常生活やスポーツでのパフォーマンス向上が期待できます。また、関節に負担をかけずに行えるため、リハビリや怪我の予防にも適しているエクササイズです。
ピラティスは、性別や年齢を問わず、誰でも取り組めます。現代では、フィットネスや理学療法、アスリートのトレーニングとして広く取り入れられており、健康で快適な生活をサポートするための運動法として注目されています。
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ホットヨガとピラティスの違い
ピラティスとホットヨガはどちらも健康やダイエットに効果的ですが、それぞれ異なるアプローチを取っています。
ピラティスは筋肉と骨格の強化に、ホットヨガは精神面のリラックスと内臓の健康に特化しています。どちらも健康に良い影響を与えるため、自分の目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
ホットヨガとピラティスの目的の違い
ホットヨガの目的は、心と体を結びつけ、安定した精神状態を作ることにあります。ポーズをとって体の柔軟性を高めたり、筋力をつけたりすることは、瞑想や呼吸法の効果を高めるための手段とされています。現代では、宗教的な要素が薄まり、健康法として注目されていますが、自分自身の心や体と向き合うことを大切にする考え方は受け継がれています。
ピラティスは、リハビリをルーツに持つエクササイズで、体に過度な負担をかけずに強くしなやかな筋肉をつけることを目的としています。特にお腹まわりの体幹を鍛えることで、正しい姿勢を身につけ、ケガをしにくい体を目指します。
ホットヨガとピラティスの動き方の違い
ホットヨガは、「静」のエクササイズです。さまざまなポーズをとり、静止した状態で腹式呼吸を繰り返します。ポーズをキープして深く呼吸しながらストレッチし、自分自身の体と向き合う時間を味わいます。リラックスすることで精神面が安定し、血行促進によるデトックス効果も期待できます。
ピラティスは、「動」のエクササイズです。胸式呼吸を行いながらインナーマッスルに働きかける動作を流れるように続けます。骨や筋肉を正しく動かすことを重視し、姿勢が良くなったり、ケガをしにくくなったりするのが特徴です。力の強さや柔軟性よりも、動きの質に重点を置くため、運動経験や年齢を問わず始められます。
ホットヨガとピラティスの呼吸法の違い
ピラティスの呼吸法は「胸式呼吸」です。鼻から息を吸って胸を大きく広げ、吐くときは口から、風船がしぼむように胸の中の空気を出し切ります。胸式呼吸を行うと「交感神経」が優位になり、脳や筋肉が活動的になり、集中力が高まります。
ホットヨガでは「腹式呼吸」を行います。鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、同じく鼻から吐いてお腹をへこませる方法です。腹式呼吸では「副交感神経」が優位になり、リラックス効果が期待できます。
ホットヨガとピラティスの効果の違い
ホットヨガは、温かい環境で行うヨガのことです。たくさん汗をかくため、体の代謝が良くなり、血の巡りも良くなります。また、汗をかくことで気分がスッキリし、ストレスが減り、リラックスできます。さらに、体の中の不要なものを汗と一緒に出せるため、デトックス効果が期待出来ることも特徴です。
ピラティスはインナーマッスルを鍛えることで、体の骨格を整えます。これにより、内臓の代謝活動が活発になり、日常生活での消費カロリーが増加します。特に、腹筋や背筋などのコアを強化することで、体幹が安定し美しいボディラインを作り出せるでしょう。
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ホットヨガとピラティスの共通点
ホットヨガとピラティスは、どちらも呼吸を意識しながらインナーマッスルを鍛え、柔軟性を高められることが特徴です。
身体を引き締められる
ホットヨガやピラティスは、筋肉や骨の動きを意識しながら行うエクササイズです。これにより、普段の筋トレでは鍛えにくい体の深い部分の筋肉(インナーマッスル)を効果的に鍛えられます。
インナーマッスルは、体の表面にある筋肉(アウターマッスル)の動きを助けたり、体全体のバランスを保つ役割があります。インナーマッスルを鍛えると、基礎代謝が上がり、ダイエット効果も期待できます。
リラックス効果
ピラティスとヨガは呼吸法は違いますが、自律神経を整え気持ちを安定させる効果も期待できます。呼吸には、吸うときに交感神経を、吐くときに副交感神経を優位にする働きがあります。深呼吸をすることで自律神経が整い、リラックス効果が得られるでしょう。また、適切な動きと筋肉のほぐしによって、体の緊張が解け、自律神経のバランスが整います。
身体の歪みを整える
ピラティスやヨガは、全身の筋肉をほぐしながら鍛えられるため、体の歪みを改善するのに役立ちます。体の中心である骨盤を正しい位置に戻すことで、姿勢が良くなり、見た目も美しくなります。体の歪みを整えることで、血行を良くすることで肩こりや腰痛、冷えやむくみなどの慢性的な不調を改善する助けになります。
身体の柔軟性を高められる
ホットヨガとピラティスは筋力と柔軟性を向上させる効果が期待できます。これにより、関節にかかる負担が軽減し、筋肉の緊張や痛みが和らぐでしょう。左右の筋力バランスが崩れている場合や、長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の硬直が原因で生じる歪みの改善が期待できます。
代謝の亢進
どちらも血行を促進し、新陳代謝を向上させるエクササイズです。深い呼吸を行うことで横隔膜が動き、体内の血流が良くなります。また、筋肉をほぐし、関節の圧迫を防ぐことで、さらに血流が改善されるため、酸素や栄養素が体の細胞に行き渡りやすくなり、基礎代謝が上がります。
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ホットヨガとピラティスの消費カロリー
消費カロリーについてはホットヨガの方が高いとされています。ホットヨガを1時間行うと、約200〜300kcalを消費します。ピラティスでは、1時間行うと、だいたい100kcal〜200kcalの消費です。
ただし、これらの消費カロリーは、体形やプログラムなどによっても個人差があるため、参考までにしてください。
※関連記事:高温多湿でスリムに?ホットヨガのカロリー消費量とダイエット効果は
ホットヨガとピラティスはどっちがダイエットに効果的?
どちらも代謝を上げ、血行を良くすることで、太りにくく痩せやすい体を作るのに適しています。それぞれ異なるアプローチで体を整えるため、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
ホットヨガは、温かく湿度の高い環境で行うため、たくさん汗をかきやすくなり、体の脂肪が燃えやすくなることが特徴です。また、たくさん汗をかくことで体内の老廃物が排出され、デトックス効果が期待できます。さらに、内臓の働きを活性化させるため、腸内環境が改善され、便秘の解消にもつながります。
ピラティスは、体の深い部分にある筋肉(インナーマッスル)を鍛える運動です。これにより、体の代謝が上がりやすくなります。筋肉が大きくならないため、筋肉太りを避けたい方にとって理想的なエクササイズです。また、自律神経のバランスが整い、血行が良くなります。これにより、むくみや便秘、肌荒れの改善が期待できます。特定の部位に焦点を当てたエクササイズを行うことで、部分痩せも可能です。
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※関連記事:ホットヨガで痩せるために!ダイエット成功のコツとは?
ホットヨガとピラティスの選び方は?
どちらを選ぶかは、目的や体の状態により違います。どちらも素晴らしいエクササイズなので、自分に合った方法を選んでください。
ホットヨガがおすすめの方
- 冷え性
- 肌を綺麗にしたい
- 肩こりがひどい
- 身体が硬い
- 健康的になりたい
【冷え性の方】
ホットヨガは、体を温めるだけでなく、心身のバランスを整える効果もあるので、冷え性に悩む方にはおすすめです。
ホットヨガを行うと、体の内側が温まり、血液の流れが良くなり、冷え性の改善に役立ちます。また、ホットヨガの呼吸法を取り入れることで、副交感神経の働きを高め、自律神経の乱れが改善され、冷え性の対策にもつながります。
【肌を綺麗にしたい】
ホットヨガは高温多湿の環境で行うため、たくさん汗をかきます。この汗が毛穴の汚れを流し出し、肌をきれいにする効果があります。また、汗をかくことで老廃物が排出され、血行や代謝が良くなります。これにより、肌に栄養が行きわたりやすくなり、美肌効果が期待できます。
【肩こりがひどい】
肩こりは、運動不足や悪い姿勢が原因で筋肉が固まり、血行が悪くなることで起こります。ホットヨガは、軽い運動で筋肉をほぐし、血行を促進するため、肩こりの改善に効果的です。また、ホットヨガでは正しい姿勢を意識するため、姿勢の改善にも役立ちます。これにより、肩こりの根本的な原因を解消することが期待できます。
【身体が硬い】
ホットヨガは、温かい環境で行うため、関節の可動域を広げる効果があり、ポーズが取りやすくなります。また、全てのポーズに高い柔軟性が必要なわけではありません。体が硬い人でも無理なく取れるポーズがたくさんあります。
ホットヨガは自分自身の変化を感じやすい運動です。最初は難しいと感じるポーズも、続けることで少しずつできるようになり、自分の成長を実感できます。これは、体が柔らかい人よりも、体が固い人の方が変化を感じやすいという利点があります。
【健康的になりたい】
ホットヨガは、体の内側と外側の両方を健康にするのに役立つエクササイズです。続けることで、ダイエット効果が期待でき、体のラインも変わってきます。また、体が温まることで内臓の働きが活発になり、病気の予防も期待できます。
仕事で疲れている方にとって、自分自身のケアとしてホットヨガを始めるのは良い選択かもしれません。ホットヨガを終えた後は、心身ともにリフレッシュでき、ストレス解消にもなります。
ピラティスがおすすめの方
- 姿勢を改善したい
- 痩せ体質になりたい
- スポーツのパフォーマンスを向上させたい
- 更年期症状への対策がしたい
- 論理的に考えるのが好き
【姿勢を改善したい】
ピラティスは、背骨や骨盤、肩甲骨、股関節などの位置を意識しながら動くことで、体の骨や内臓が自然な位置に整い、体がより機能しやすくなります。また、背骨の間にある小さな筋肉を強化することで、背骨を正しい位置に保つ力がつきます。常に体の左右のバランスを確認しながら動くことで、歪みのないバランスの取れた筋肉が育ち、美しい姿勢を保つことが可能です。
【痩せ体質になりたい】
ピラティスでインナーマッスルを鍛えると、体の深い部分の筋肉が強くなります。これにより、筋肉量が増え、基礎代謝が上がります。基礎代謝とは、何もしないで安静にしているときに消費されるエネルギーのことです。基礎代謝が高まると、体がエネルギーをより多く消費するようになり、痩せやすくなります。
【スポーツのパフォーマンスを向上させたい】
ピラティスは、通常の筋トレとは異なり、体の内側にある筋肉(インナーマッスル)を鍛えることに重点を置いています。これにより、体幹が強化され、骨格のバランスが整い、体の歪みが改善されます。結果として、スポーツ中に思い通りの動きができるようになり、ケガの予防にもつながるのです。
さらに、ピラティスは腰痛などの身体の不調を改善・緩和する効果も期待できます。体幹を鍛えることで、瞬発力やスピードも向上します。また、神経伝達能力もアップすると言われており、スポーツに必要な素早い反応や動きが可能です。
【更年期症状への対策がしたい】
ピラティスは、更年期の症状緩和に効果的です。呼吸と共に背骨やインナーマッスルを動かし、全身の筋肉や骨の配置を整えることで、自律神経のバランスを調整し活力を引き出します。
研究によると、週に3回、8週間のピラティスを行うことで、更年期の症状が緩和され、腰痛が改善されることがわかりました。また、閉経後の女性においても、睡眠障害や不安、うつ、疲労感が改善されるという結果が出ています。
8週間のピラティス運動プログラムが閉経後女性の更年期症状と腰椎の強度と柔軟性に与える影響
ピラティストレーニングが閉経後女性の睡眠の質、不安、うつ病、疲労に与える影響
【論理的に考えるのが好き】
ピラティスは、論理的に考えるのが得意な人にもぴったりのエクササイズです。ピラティスは、ヨガの要素を取り入れながらも、解剖学に基づいて設計されています。つまり、各動きにはしっかりとした理由があり、その理由を説明できます。これにより、論理的な思考を持つ人も納得しやすいのです。
また、ピラティスは体の機能的な動かし方を学ぶのにも適しています。体の動きの仕組みを理解しながらエクササイズを行うことで、より効果的に体を鍛えられます。
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まとめ
ホットヨガやピラティスは、身体の歪みを整え、心身の健康を促進する素晴らしい方法です。どちらも継続することで効果が現れるため、日常生活に取り入れてみてください。
ホットヨガやピラティスは、インナーマッスルを鍛え、骨格を意識する点で共通点があります。しかし、それぞれの特徴を理解することで、自分に合った方法を選べます。精神面のリラックスや代謝の向上を目指すならヨガが適しており、リハビリや怪我予防を重視するならピラティスが良いでしょう。
ヨガは静止したポーズを長く保つことで体を鍛える一方で、ピラティスは専用のマシンを使って骨格を意識しやすくします。どちらも一度体験レッスンを受けて、自分の体に合った方を選んでみてください。